もうひとつのぺんてるとは? / もうひとつのぺんてる誕生ストーリー
化成品事業 クロニクル
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高精度な容器設計・加工技術、ナイロン毛技術を活用した製品を展開するOEM事業
文具メーカーとして培った技術をベースにOEM事業に参入
1980年代の後半、世界的に女性の社会進出が進むにつれて、持ち運びに便利な携帯用化粧品のニーズが高まり、文具技術を化粧品に採用したいという問い合わせが急増します。また、同時期に普及をはじめたCADシステムの出力装置(プロッター)向けの専用ペンの依頼が相次ぎました。
ぺんてるでは、このような他業界からのニーズに対応するため、1985年、OEM事業部(現在の化成品部)を設立。本格的にOEM事業に参入し、その第一号として各社仕様の「CAD用プロッターペン」の販売を開始しました。
CAD用プロッターペン
文具容器の液密技術を携帯型化粧品容器に応用
携帯型化粧品には液体を外部に漏れないように密閉し、正確な定量で吐出する技術が求められていました。ぺんてるでは、筆記具製造で培った液体(インキ)の密閉技術を化粧品容器の設計・開発に応用転用。1987年、リップカラー向けの「ノック式定量吐出容器(LCK)」を皮切りに、「ノック式カートリッジアイライナー容器(NEL)」(1992年)、「ポンプ式クリーム定量吐出容器(KCD)」(1995年)、「中綿式細軸容器(TSEL)」(2007年)、「ノック式弁機構吐出容器(GFH)」(2014年)、「ノック式弁機構吐出単軸容器(S-GFH)」(2017年)と、次々に化粧品容器を開発し、現在も国内外の化粧品メーカーに提供しています。
ノック式定量吐出(LCK)容器
クリーンルームを設置し、医療向け容器を開発
高精度な定量吐出を可能にする液密技術は、医療・医薬メーカーなどからも大きな注目を集め、2000年には歯科向けの「2液同時吐出容器」の設計請負・部品供給を開始。そして、2006年には、よりハイレベルなクリーンルーム(クラス30,000)を設置し、臨床検査業界向けに「ピペットチップ」や「樹脂製ディスポ試験管」の生産にも着手。文具で培った多数個取り金型の技術と成形技術を駆使し、これまでに数億個を超える量を十数年間市場に供給し続け、評価されています。さらに、2013年には、容器加工技術と合成毛加工技術を応用し、「ハケ式ボトルタイプ塗布容器」の設計請負・部品供給を開始するなど、理化学機器・臨床検査・医療向け容器の機構設計から商品化・量産化まで一貫して手掛けています。
ピペットチップ
筆ペンで培ったナイロン毛技術で、新たな商品を開発
従来、筆や化粧ブラシには、毛先が細くてしなやかな獣毛が使われていました。しかし、需要の拡大や動物愛護など、さまざまな社会情勢の変化により安定供給が困難となり、近年では、より高品質なナイロン毛のニーズが高まっています。そこで、ぺんてるでは筆ペンで培った毛先を細く加工するテーパー技術や、配合・混毛技術を応用し、2003年に日本伝統工芸向け細密筆を開発。さらに、タッチ感や、粉体・液体の保持機能が調整できるナイロン毛の配合技術は、化粧品、医療向けの各種ハケ製品に応用されています。そして、2016年にはブラシ、穂先の素材としてのナイロン製原毛の販売も開始しています。
ナイロン毛